一言両断

就活終了し、脱力気味の大学4年生です。

「就活は4年生の4月から」という新ルールは学歴偏重を助長するのではないか

今日の日経に掲載された「就活異変」。法政大学が主催する学内企業説明会に参加したいという企業が近年とても伸びているそうです。
こういった上位20校に企業の目が集中しているという傾向が強いと、記事では述べられていました。
 
現行の就活のスケジュールである「12月解禁、4月面接」の中でも、就職活動は短期決戦にならざるを得ません。
選ぶ方も、選ばれる方も限られた時間の中で結果が重視され、その圧力は相当なものです。
新卒一括採用というシステムの中でさらに短期決戦という条件が加われば当然企業は効率的に採用活動を行うしかなく、いわゆる「学歴フィルター」はこうした中で生まれたものだと考えます。
 
私の経験から言えば、学歴フィルターは実際に存在します。具体例をあげることはしませんが、中には露骨なものも多く、「ここまでするのか」と惨憺たる気持ちになったのを覚えています。
 
上位20校だからといって、中にいる人間も社会の中のピラミッドで上位であるとは限りません。実際にそういう考え方をしている人も周りにいないことはないですが、私はそれは一面的なものの見方だと思います。「自分はフィルターをくぐり抜けたからどうでもいい」という考え方も好きではありません。(だからといって実際には何もできませんが)
ただ、企業もそういったことは重々承知だと思います。有名大学だからといって中にいる人間がみんな素晴らしいと思っているわけではないが、効率を考えて仕方なくやっていたり、採用活動にかけられる予算の制約があったりなど、やむを得ずフィルターをかけている企業も多いのではないか、と考えます。
 

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2016年卒の大学生の就職活動は4年生の4月から、というルール改正が決まりました。面接は8月から。これにより大企業の就活はさらに短期決戦になることが予想されます。学生も大変ですが、企業の人事部採用担当の仕事の過密度もさらに高まっていくでしょう。これにより「学歴フィルター」をかける企業はどんどん増え、効率を求めるあまり多様な人材を獲得できなくなってしまうのではないか。と思いました。
 
「多様性より効率を重視」と記事では述べられています。組織が成長していくには、いろいろな人がいていろいろな考え方をぶつかわせていくことが大切なのではないのかな、と思います。学歴偏重主義はその逆をいくものであり、企業の枠を超え、政府もまじえて議論すべき問題なのではないか、そして一番困るのは学生ですから、学生の声もしっかり拾って欲しい。と思います。